「米Amazon.comやGoogleが、決済の簡便化に向けて動いている。これは顧客データを収集し、日常生活により深く関与するためだろう」
米データ企業CB Insightsでフィンテックに注力するシニアアナリストのローラ・ケネディ氏は、同社のWebサイトに掲載したプレゼンテーションでこのように述べた。
「テック大手企業は、企業間のパートナーシップを通じて、またGoogleの場合は特許を活用して、決済分野への参入を進めている。彼らは消費者の生活に深く入り込み、顧客データを収集できるように、決済取引に自社を組み込む方法を見つけることに注力している」
AmazonやGoogleのこうした動きは、収益成長を推進することが主目的だ。ただ、これらのサービスを利用するユーザーは同時に貴重なデータも提供しているのだと、ケネディ氏は指摘する。
Amazonの広報担当者はコメント依頼に応じなかったが、Googleの広報担当者は「当社のビジョンは、シンプルで安全かつシームレスなデジタル決済を支援することです」と述べている。
ケネディ氏は、テック大手企業による決済分野への進出は試行錯誤の段階にあると話す。「10年以上にわたり大手テック企業が独自の金融商品を展開しようとしてきましたが、多くの企業は現在、その試みを縮小しています」
例えば、Appleは2024年初めに“今買って後で支払う”(=BNPL)サービスを廃止し、Googleは2021年に銀行口座サービスの提供を断念した。Facebookの親会社であるMetaも、2022年に独自のデジタル通貨計画から撤退したようだ。
「彼らは主にテックプロバイダーとしての役割に移行し、他社のプラットフォームで金融取引に関与するようになっています」
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