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楽天抜きでは口座「どんどん減る」、連携さらに拡大へ みずほ証券・浜本社長インタビュー

» 2024年10月01日 08時00分 公開
[ロイター]

 みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券・浜本吉郎社長はロイターとのインタビューで、2023年に追加出資した楽天証券との連携を一段と拡大していく方針を明らかにした。高齢化で既存口座の減少が見込まれる中、オンライン証券2位の楽天が強みとする比較的若い利用者を確実に取り込み、グループ内の資金の受け皿にしたい考え。

みずほ証券・浜本吉郎社長(写真)はロイターとのインタビューで、2023年に追加出資した楽天証券との連携を拡大していく方針を明らかにした(出典:ロイター)

将来的には執行システムを共通化も

 インタビューは9月20日に実施した。

 口座開設や各種の届け出などを処理する間接部門を一体化する検討を進めているほか、将来的には執行システムを共通化する可能性もあるという。浜本氏は「楽天証券の楠(雄治)社長とは毎週顔を合わせて議論している。連携の話はどんどん広がっていく」と語った。

 みずほ証券は2023年11月、オンライン証券で口座数2位の楽天証券への追加出資を決めた。2022年に結んだ戦略的資本業務提携を強化して、29.01%だった出資比率を49%まで引き上げ持分法適用会社とし、協業範囲を広げている。

 4月には共同出資(みずほ証券95%、楽天証券5%)で立ち上げた資産形成や資産承継などを扱う金融商品仲介業のMiRaIウェルス・パートナーズが事業を開始した。企業の株式公開買い付け(TOB)が増加する中、個人が保有する株式の買い付けを行う復代理人としても楽天証券の活用を始めている。楽天の口座数は2024年4月時点で1100万を超えており、浜本氏は個人投資家へのリーチ力に期待していると述べた。

 証券業界では既存顧客の高齢化が進み口座の解約が増える一方、若い世代はオンライン証券に口座を開設する傾向がある。みずほ証券の口座数(証券総合口座とNISA口座の合計)も、2022年3月末の213万から23年3月末には205万、24年3月末には199万へと微減を続けている。

 浜本氏は、オンライン取引を選好する若い世代を取りこぼさず、楽天証券を含めたグループ企業全体で資産規模や顧客ニーズに応じて最適な提案を行っていく必要性を強調。「楽天と組まずして、口座数はどんどんどんどん減る。グループのエコロジーで受け皿を持っていくことが将来的な利益につながる」と話した。

 出資による業績への貢献については「足元の収益よりも機会損失を最小化できていることがすごく大きい」とし、「単一商品だけ見ていては提携効果を見誤る」と語った。

投資銀行業務は2割増益目指す

 浜本氏は投資銀行業務の拡大についても触れ、25年3月期の同事業の経常利益を前年比2割増やす考えを示した。24年3月末は同62%増の411億円だった。23年に米M&A(合併と買収)アドバイザーのグリーンヒルを買収したことで、顧客企業が買収をする際の資金繰りからM&Aを通じた成長戦略まで対話の機会が増したという。

 浜本氏は「案件のフック率がものすごく上がっている。株式資本市場、債券資本市場、デリバティブなどの商品につながる流れが今までの2〜3倍に増えてくる」と述べた。

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