NHK、34年ぶり赤字の原因はどこにある? ネトフリと比べて分かる“いびつ”な構造(4/6 ページ)

» 2024年11月03日 11時02分 公開
[古田拓也ITmedia]

人口減・契約拒否で苦境

 NHKの受信料収入は、テレビを所有する世帯から強制的に徴収する制度に依存しているが、人口減少や契約を拒否する人の増加により、安定的な収入の維持が厳しくなっている。

 また、NHKの収益構造はこの受信料収入に大きく依存している。多様な収益源を確保できていないことも課題だ。

 そして収益の多くは先述した人件費のほか、国内の放送網維持やビルなどの設備投資(2023年度は国内放送費4620億円、設備投資740億円)に充てられ、グローバルでの収益源となりうる国際放送費には約200億円しか投じられていない。

 デジタルコンテンツやインターネットサービスは差別化が難しくなってきている。国際市場での成長や多角的な収益確保に向けて十分な投資を行えているのか疑問だ。

 ではNHKの活路はどこにあるのか、英国の公共放送、BBCのビジネスモデルと比較して考えてみたい。

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