北九州地盤「資さんうどん」は関東でどこまで戦えるか すかいらーくが買収した背景(1/3 ページ)

» 2024年11月09日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

 10月、すかいらーくホールディングス(HD)が北九州地盤でうどんチェーン「資さんうどん」を展開する資さん(北九州市)を買収した。資さんうどんの全国的な知名度は低いものの、北九州市・福岡を中心に約70店舗を展開しており、福岡県民にとってはなじみの深いチェーンとして知られている。

 同チェーンはうどんだけでなくそばも提供しており、100種類以上ある豊富なメニューが特徴である。今後は都内と千葉県内に出店する予定であり、すかいらーくHD傘下で関東進出を強化する方針だ。

 今回は、なぜすかいらーくHDが九州のうどんチェーンに目を付けたのかを探っていく。

すかいらーくが買収した「資さんうどん」(出所:資さんプレスリリース)

北九州地盤のローカルチェーン 近年は関西など店舗網を拡大中

 資さんうどんは1976年に開業したうどん店がルーツである。北九州という重工業が盛んな地域柄、夜勤労働者の需要も取り込むべく24時間営業としたのが大きな特徴であり、現在でも店舗の多くが24時間営業か午前7〜午前1時のように幅広い時間帯で営業している。当初はドミナント展開をしていたが、2009年からは下関市や福岡市など、北九州市以外にも出店し始めた。

1月に兵庫県で実施したキッチンカー販売は行列となった(同前)

 2015年に創業者が亡くなった後は後継者が決まらず、福岡銀行系のPEファンド、福岡キャピタルパートナーズ(福岡市)に経営権が移った。約40店舗体制となった2018年にはユニゾン・キャピタルが経営を引き継ぎ、2023年11月に関西へと進出。その多くが市街地のロードサイドに出店している。

 そして、すかいらーくHDが資さんを240億円で買収。これまでローカルチェーンとして愛されていただけに、インターネット上では「メニューが変わるのでは」など、大資本による買収を懸念する意見も見られた。

7月、3日限定として都内で営業したポップアップストアも行列になるほど人気だった(同前)
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