NVIDIA(エヌビディア)創業者でCEOのジェンスン・フアン氏は11月13日、都内で開催した自社イベントで、プレス向け質疑応答セッションに応じた。本稿はITmedia ビジネスオンライン記者とのやり取りを記事化したもの。
半導体大手の米NVIDIA(エヌビディア)創業者でCEOのジェンスン・フアン氏は11月13日、都内で開催した自社イベントで、記者との質疑応答セッションに応じた。フアン氏は、ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏と対談(関連記事孫正義氏とNVIDIAフアンCEOが語り合った「AIの未来」 高性能AIスパコン構築へ)。ITmedia ビジネスオンラインはフアン氏に、孫氏が掲げてきた人類の1万倍の知能を持つ「ASI」(Artificial Super intelligence、人工超知能)実現のビジョンについて見解を聞いた。
――孫社長はASIが10年前後で訪れると主張しています。このビジョンについての見解を教えていただけますか。
人間の仕事が100%できるAIはないと思います。少なくとも近い将来には、そうしたAIは生まれないと思っています。しかし、 人間ができる80%ぐらいの仕事をやってくれるAIは生まれると思います。従ってASIが実現しても、(人間の仕事が)100%できるということはないと思いますが、80%の仕事の中で、1000倍よりよい仕事をしてくれます。それは理にかなっていますよね? 例えば計算機は(私よりも)1000倍早く仕事をしてくれます。
AIは私の仕事の80%、 私の知性の80%、これを1万倍、よりよく行ってくれるということです。
――先ほど孫社長と対談されました。感想は?
私は孫さんと時を過ごすのが大好きなんです。彼は楽観主義者です。ビジョナリーです。長い関係をこれまで楽しませていただきました。そして起業家、イノベーターとして本当に懸命な意思決定をした人です。あらゆるテクノロジー革命の世代において、孫さんほど素晴らしい判断をしてきた人はいません。孫さんだけがビル・ゲイツのPCに注目しました。そしてインターネットの(Yahoo!共同創業者)ジェリー・ヤン、アリババのジャック・マー、モバイルインターネットのスティーブ・ジョブズ。そして今、エヌビディアです。エヌビディアのAIに着眼しました。
5件続けてですよね。5回連続で素晴らしい意思決定をし、そして成功された方は、孫さんだけです。彼は臭いで判断しているんだと思います。嗅覚が優れています。
以上が質疑応答でのやりとりだ。フアンCEOは時折、記者とのやり取りの中で笑いを誘い会場を沸かせるなど、経営者としての迫力を感じた。この日はソフトバンクとエヌビディアが協力し、高性能のAIスーパーコンピュータを構築することも発表された。両社の動きから目が離せない。
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