提供方法にも万博らしさを加えた。特別メニューと人気の寿司メニューの2つを一緒に提供するため、抗菌寿司カバー「鮮度くん」を連結。連結部分は、2つのカバーから伸びる手がつながったデザインになっている。手の色には万博カラーを採用した。くら寿司の田中信副社長によると、一体化した鮮度くんを回転ベルトに流すことで、万博に出店する店舗のコンセプト「回転ベルトは、世界を一つに。」を表現しているという。
くら寿司が手掛ける万博の店舗には、同社史上最多の338席を用意。くら寿司の強みである「回転レーンで“リアルに回す”」ことを体験してもらうため、約135メートルの回転レーンを設置した。店舗の外壁には、廃棄される赤貝の貝殻33.6万枚を再利用した漆喰(しっくい)を使用している。
万博に向け準備を進めるくら寿司だが、田中信副社長が課題視しているのは万博に対する「温度差」だ。三菱総合研究所の調査によると、万博への興味・関心度は京阪神が40.5%に対し、全国平均は25.6%となった。来場意向は京阪神が43.5%、全国平均は26.9%で、万博の開催地である関西と、関西以外の温度差が浮き彫りとなっている。
そこでくら寿司が注力するのが万博の応援企画「味の万国博覧会」だ。店舗を各国のミニパビリオンに見立て、1店舗につき、特別メニューを1種類ずつ提供。近隣店舗にはあえて違う国や地域のメニューを展開することで、複数店舗への来客を促す狙いだ。くら寿司の万博特別メニューで、消費者の万博への興味を喚起できるか。
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