「Connected Walking」の参加者は回を重ねるごとに増えている。WHPでは直近のイベントの目標として社員の半数程度である1000人以上の参加を掲げ、見事1090人に達した。要因としては、以下のようなことが考えられる。
一つは、人事部の担当者が仕事としてやっているのではなく、WHPのメンバーがボランティアでやっていること。身近な社員が頑張っている様子が見え、メンバーから直接「参加しませんか」と誘われたことがきっかけとなって参加する人も多いようだ。
また、毎回のイベントの満足度の高さも大きな要因だ。昨年入社した広報担当の荘司さんは、「去年は何も分からずなんとなく参加したのですが、めちゃくちゃ楽しかったんです。だから今年はイベントが始まるのを楽しみにしていました」と語る。
「楽しかった」「良いイベントだった」という感想は身近な社員間の口コミにとどまらず、Slackで多数の社員に伝わっているという。というのも、WHIではもともとSlack上でのコミュニケーションが盛んで、他の社員の活動に対して積極的にフィードバックをする文化があるのだ。
「Slack上で『Connected Walking』に対する意見を募ったときは40件くらいのコメントをもらいました。みんなの見えるところで積極的に『良かった!』と投稿してくれる人がいるので、それを見て興味をもってくれる人が増えていると感じます」(発地さん)
Slackや事後アンケートでのフィードバックとしてはポジティブな感想ばかりでなく、「もっとこうしたら?」「ここが課題」といった提案や問題提起もあるという。
「毎回、アンケートの回答は全て読みます。その上で『これは次に生かせる』『これは課題』といったことをレビューし、次回のイベントで新しいことを試してみます。その結果をまた検証して、次に生かして……と繰り返す。そうすると、参加者にとってはアンケートで要望を出したことが形になっているのが分かるんですね。イベントを通して私たちと参加者の双方向のコミュニケーションができていることが、少しずつブラッシュアップしながら続けられている理由だと思います」(齊藤さん)
「WHPのメンバーの内、このイベントの運営に関わっているのは15〜20人くらいです。そうすると、運営側だけで必死に考えても限界があるんですよね。参加してくれた1000人の人たちからもらう意見にはかないません。毎回イベントをやるたびにフィードバックをもらうことができて、運営を改善できる。この仕組みがすごくいいなと感じています」(発地さん)
イベントを開催したら終わりではなく、きちんとフィードバックを受け止めて次回の改善に生かす。そのサイクルが回っていることが、「Connected Walking」が毎年の定例イベントとなるほど多くの社員に受け入れられる結果につながっているようだ。
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