WHPのメンバーは、普段の仕事の傍らでミーティングをしたりイベントの企画運営をしたりといった活動を続けている。1000人超が参加するイベントを多くても20人程度のメンバーで回すために、相当の工夫を重ねているようだ。
「初めて新卒社員向けにやったときは、実施が決まってから開催までに3週間しかなく、裏側の仕組みはほとんど手作業で頑張りました。でも、全社員が対象となるとそれでは回らないので、さまざまなことを自動化しました」(発地さん)
例えば、イベントが始まるときにチームごとのSlackのチャンネルを作成する、歩数を入力していない参加者へのリマインドメッセージを送る、週の後半にチームのビンゴ達成状況や個人の歩数を知らせる、個人やチームの達成状況に応じて「コネクト」を付与する……といったことを最初は全て手作業でやっていた。それを、SlackとGoogle Apps Script(GAS)、Googleスプレッドシートなどを駆使して自動化し、工数を削減した。
昨今、ERG(Employee Resource Group)と呼ばれるような、共通の思いや属性を持つ従業員グループが自主的な活動を行うケースが増えている。しかし、通常業務の傍らで活動時間を捻出したりモチベーションを保つのが難しいなど、活動を継続・発展させていくのが容易でないことは想像に難くない。「Connected Walking」が規模を拡大し、内容も改善しながら続けられているのは非常に稀有(けう)なことではないだろうか。
次回は、彼らが一回一回のイベントをやりっぱなしにせず、きちんと振り返りを行いイベントを発展させていくことができている理由をより深堀りする。また、このような社員の自主的かつ有意義な活動が生まれる会社の風土やサポート体制について、CHROの八幡誠さんのお話も紹介したい。
<「社員の自主活動」が成功する会社は何が違う? マイクロソフト、セールスフォースを見てきたWHI社CHROが分析>
コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年より組織に所属する個人の新しい働き方、暮らし方の取材を開始。『くらしと仕事』編集長(2016〜2018)。「Yahoo!ニュース エキスパート」オーサー。各種Webメディアで働き方、組織、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。著書に『本気で社員を幸せにする会社』(2019年、日本実業出版社)。
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