悲しいほど売れなかった「刻みのりハサミ」、“名前を変えただけ”で100万本超の大ヒット商品に(3/4 ページ)

» 2025年01月16日 08時00分 公開
[大久保崇ITmedia]

「金太郎あめ型ゆで卵」に「片足スリッパ」 商品開発の試行錯誤

 アーネストには、こうした独創的な発想で商品開発を行う文化が浸透している。創業当時から販売を続ける「ドリームランド」は、その代表格だ。

模様つきのゆで卵が作れる「ドリームランド」(出所:公式Webサイト)

 断面に星やハートの模様が浮かび上がる“金太郎あめ”のようなゆで卵が作れる調理器具である。卵の白身と黄身を分け、白身を先にゆでた後に黄身を入れるという手間のかかる製法だが、細く長く売れ続けているという。

 「つばめのパンナイフ」というパン切り包丁は、2、3カ月待ちが出るほどの人気商品だ。一般的なパン切り包丁は刃全体にギザギザが付いているが、このナイフは先端と手元側だけにギザギザを配置。真ん中はストレートな刃を採用することで、パンの形が崩れにくくなるという。

つばめのパンナイフ(出所:Amazon公式Webサイト)

 もちろん、全ての商品が成功するわけではない。宅配便の受け取りなど、ちょっとした外出時のために開発された「ひょいと一歩 足de纏(あしでまとい)」も、同社らしい発想の商品だ。

 前後左右どちらからでも履ける片足用スリッパだが、あまり売れなかったという。「『あしでまとい』という言葉のイメージが良くなかったかもしれません」と高橋氏。当時の社長が命名にこだわったものの、ネーミングの成否については今でも社内で話題に上がるという。

ひょいと一歩 足de纏(あしでまとい)(提供:アーネスト)
配達品を受け取る時など、「一歩だけ外に出る」ときに便利という商品だった(提供:アーネスト)

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