CX Experts

Disney+好調の舞台裏 日本人初エミー賞受賞に導いた『SHOGUN 将軍』成功の意義ディズニーの戦略に迫る(2/2 ページ)

» 2025年01月22日 05時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]
前のページへ 1|2       

決算で初の部門全体「黒字化」

 Disney+のこうした成果は、決算にも着実に表れている。ウォルト・ディズニーが2024年11月に発表した2024年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比6%増の225億7400万ドル(約3兆5000億円)、純利益が74%増の4億6000万ドルとなった。

 冒頭のヒット作に恵まれて映画部門が好調だったことに加え、動画配信部門は2四半期連続の営業黒字となっている。

 Disney+やHulu、スポーツ専門チャンネル「ESPN+」も含めた7〜9月期の動画配信部門の売上高は、前年同期比13%増の62億9600万ドルとなった。営業損益は3億2100万ドルの黒字で、前年同期の3億8700万ドルの赤字から黒字転換している。2019年のDisney+開始以降、2024年4〜6月期で初めて部門全体を黒字化させた形だ。

 日本人初のエミー賞やゴールデングローブ賞受賞をはじめ、世界的にみるとDisney+の戦略は奏功している。一方、動画配信の国内市場はまだこれからで、先述したGEM Partners2023年の国内市場シェアによると、Disney+は8.9%で5位だった 。一方で契約者の顧客満足度は高く、2024年のオリコンの調査ではNetflixに次ぐ2位となっている 。同調査でDisney+は、2021年と2022年が1位、2023年は2位だった。

photo GEM Partners2023年の国内市場シェアによると、Disney+は8.9%で5位だった
photo 2024年のオリコンの顧客満足度調査では、Netflixに次ぐ2位に

 消費者を一度契約させることさえできれば、Disney+は市場位置以上のポテンシャルがあるといえる。2024年の成功を受け、Disney+がどこまで成長できるのか注目だ。

photo ウォルト・ディズニー・ジャパンのキャロル・チョイ社長(©Disney)
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR