Disney+のこうした成果は、決算にも着実に表れている。ウォルト・ディズニーが2024年11月に発表した2024年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比6%増の225億7400万ドル(約3兆5000億円)、純利益が74%増の4億6000万ドルとなった。
冒頭のヒット作に恵まれて映画部門が好調だったことに加え、動画配信部門は2四半期連続の営業黒字となっている。
Disney+やHulu、スポーツ専門チャンネル「ESPN+」も含めた7〜9月期の動画配信部門の売上高は、前年同期比13%増の62億9600万ドルとなった。営業損益は3億2100万ドルの黒字で、前年同期の3億8700万ドルの赤字から黒字転換している。2019年のDisney+開始以降、2024年4〜6月期で初めて部門全体を黒字化させた形だ。
日本人初のエミー賞やゴールデングローブ賞受賞をはじめ、世界的にみるとDisney+の戦略は奏功している。一方、動画配信の国内市場はまだこれからで、先述したGEM Partners2023年の国内市場シェアによると、Disney+は8.9%で5位だった 。一方で契約者の顧客満足度は高く、2024年のオリコンの調査ではNetflixに次ぐ2位となっている 。同調査でDisney+は、2021年と2022年が1位、2023年は2位だった。
消費者を一度契約させることさえできれば、Disney+は市場位置以上のポテンシャルがあるといえる。2024年の成功を受け、Disney+がどこまで成長できるのか注目だ。
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