筆者は、こうしたニッチ観光地は今後ますます増えていくと考えている。
観光産業のニュースメディア「トラベルボイス」によると、インバウンド観光客のリピーター割合は、全体数の増加に伴って増えている。定番の観光地に飽きた人たちが、より「生の日本の日常」を見られる場所や体験を求めるようになるのは自然な流れだ。現に、農家に泊まる「農泊」などのインバウンド観光客向け体験型ツーリズムは、日本各地で増えている。「たくさんの人がメジャー観光地に行く」モデルに加え、「少数のリピーターがニッチ観光地を訪問したり、ニッチな観光体験をしたりする」モデルも増えてきているわけだ。
こうした観光の「質」重視の傾向は、日本政府による「観光立国推進基本計画(2023〜2025年度)」でも明示されている。この計画では、「観光客一人当たりの消費額」についての事項が明記され、たくさんの人に来てもらうことに加え、よりニッチな観光を楽しんでもらう必要性も示されている。
こうした背景もあり、これまでのメジャーな観光地に加えて、日本人でさえ知らないような、あるいは体験したことのないようなニッチ観光が広がることが予想される。
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押し寄せる外国人観光客は、本当にカネを落としているのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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