2008年の発売当時、同社としてはまだシャーペンのラインアップがいまほどそろっていなかった。そこで「文字をきれいに書きたい」という目的に着目し、新たに開発した機構「クルトガエンジン」を搭載したのがクルトガだ。
クルトガエンジンは、筆圧を動力として書くたびに芯が回転する特徴がある。書くたびに芯がだんだん斜めに摩耗する「偏減り(かたべり)」によって「文字が太くなる」「芯が折れやすくなる」「崩れた芯で紙面が汚れやすくなる」といった従来の問題を解決している。
「偏減りはそれまで課題として認識していなかったが、ボールペンとシャーペンを使う様子を比較してよく観察すると、シャーペンを使っているときはペンを持ち直して回す動作が多いことに気付いた。その行動をなくし、文字もくっきりきれいに書けるようになれば、多くの学生にも使ってもらえるのではないかと考えた」
発売に至るまで、何度も改良を重ねた。当時はまだペン先の中が動く商品があまりなかったこともあり、試作の段階では使ったときに違和感を覚えたという。モニターからは「書いた感じが気持ち悪い」といった声もあった。「偏減りがないメリットを伝えても、それ以上に書いたときの違和感が強く、使ってもらえるレベルに至るまで非常に苦労した」
その後、機構の改良を重ね、2008年3月に初期モデルを発売。マーケティング調査によって得られた市場ニーズへの対応や機構自体の改良を重ね、これまで10以上のモデルを発売している。
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