野球のシーズンオフで、かつ寒さが厳しく集客が落ちる冬季には、「ムーミン」とのコラボレーションやアイススケートリンクを設置。北海道ならではの冬の自然体験ができる取り組みのほか、年末年始にはフィールドに「ES CON FIELD神社」を設けるなど、さまざまな方法で集客を図っている。
「試合がない日をどうビジネスにつなげていくかという観点で動いている。開業初年度の実績を踏まえ、企画の内容や精度の向上も含めてつくり上げた」(伊藤氏)
こうした多彩なイベントを展開してきたことで、来場者は増加。チケット購入に必要な会員登録数は80万人を超え、Fビレッジ公式アプリのダウンロード数も51万件に達した(いずれも2025年1月現在)。
顧客データを蓄積することで、利用者の行動に合わせた適切な情報を提供できるようになった。チェックインチャレンジやデジタルスタンプラリーなど、エンターテインメント性のある仕掛けを通じて接点を増やし、そこで得られたデータをもとに従来のコア層向けの施策を継続しつつ、新たな来場者層を意識した取り組みも進めている。
具体的な成果も見えてきた。2023年は施設の魅力や天然芝フィールド、温泉サウナといった要素で来場を促してきたが、2024年はチームが好調だったこともあり、来場者層に変化が見られるという。「若い女性のチームグッズ購入金額が増加したほか、札幌市内在住の20代男性のリピーターも増加した」と伊藤氏は手応えを語る。
また、インバウンド需要も増加している。2024年には2万人強の来場があり、主に韓国と台湾からの集客が目立った。台湾では、陽岱鋼選手(台湾出身。2007〜16年まで北海道日本ハム、2017〜21年まで巨人でプレー)が在籍していた時代から試合中継されていたこともあり、チームの認知度は高いという。来シーズンに向けて新たに台湾出身の選手も加入しており、3月には台湾での試合開催も予定する。
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