「子どもみたいな発想だ」と冷笑する人も多いだろうが、実は全国の自治体では既に似たような取り組みが進んでいる。それは「廃墟ツアー」だ。
この分野で有名なのは長崎県の「軍艦島見学ツアー」だ。高度経済成長期の廃墟を遠くから眺めることで、観光客に歴史を感じてもらう。既にこういう成功例があるのだから、ゴーストタウン化が進む自治体の中ではもう一歩踏み込んで街全体を「廃墟テーマパーク」のようにしようと考えるところも現れるはずだ。
例えば、地域の中でシャッター商店街や空き家が多いところは、潰れた工場、廃ホテルなど街の中に点在する廃墟を全て観光スポットとして紹介する。その中でも所有者の協力が得られる場所は、安全なルートを整備し、建物内部を観光できるようにする。
もちろん、観光客は「廃墟マニア」だけではないので、見どころもつくる。例えば民家の場合、そこでどのような家族が暮らしていて、どういう日常を送っていたのかという「ファミリーヒストリー」的な展示をしてもいい。江戸時代や明治時代にまでさかのぼれば、地域の歴史も紹介できる。場合によっては、廃屋の中で昔ながらの家庭料理を振る舞うような廃墟レストランを運営してもいいだろう。
安全面の整備は必要だが、基本的に廃墟をそのまま見学するだけなので初期費用はそれほど多額ではない。しかも、「ゴーストタウン」という統一コンセプトで街全体の景気を刺激するだけではなく、宿泊、飲食、小売などにも新たな雇用、つまり「新住民の転入」も期待できる。
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