見慣れたロゴなのに、なぜ再注目? イトーヨーカドーの「ハトグッズ」が人気の理由週末に「へえ」な話(3/3 ページ)

» 2025年01月31日 06時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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ハトの魅力

 それにしても、なぜ企業ロゴをあしらった商品が売れているのか。個人的には、2つの理由があると思っている。1つは「懐かしさ」である。

 ご存じのように、ここ数年レトロブームが続き、昭和を感じさせるグッズがあふれている。お客からは「ハトのマークは懐かしいねえ。ちょっと買ってみようか」という声がよく聞かれるそうだ。一方、現場で働く人の受け止め方は違う。「えっ、これって懐かしいデザインなの?」と驚く声も少なくないという。

光るハトロゴスタンド(4378円)

 もう1つは「企業ブランドへの親近感」である。お客との接点を増やすために、企業ロゴをデザインした商品はたくさんある。例えば、スターバックスのコップには人魚(ギリシャ神話に登場するサイレン)が描かれ、AppleのPCにはリンゴのマークが刻まれている。ファミリーマートの靴下は、看板のカラーを反映したデザインになっている。

 なぜ、お客は企業ロゴに興味をもつのか。ハトグッズを手にしたいという気持ちは、企業への親近感の表れではないだろうか。先ほど、大きなハトをあしらった商品がよく売れていると述べたが、オシャレさよりも企業ロゴを優先するのは、それだけブランドへの愛着を感じているからかもしれない。

アクリルウェイトギフトセット(2706円)
ハト柄キューブウェイト(1628円)

 さて、他社の事例が豊富にあることを考えると、なぜイトーヨーカドーは「ハト」をもっと早くデビューさせなかったのか。創業100周年のタイミングは遅すぎるように思えるが、その点について「毎日のように現場で働いていると、企業ロゴについてじっくり考えることがなくて。ですが、お客さまから『かわいい』という声をいただき、改めてハトの魅力に気付かされました」(担当者)

 会社の業績は依然として厳しいが、赤・青・白のハトはどこまで飛び立つのか。売れ行きは“パタパタ”と羽ばたくかもしれない。

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