「ポケモン赤」が600万円超で落札――米オークション会社、日本市場に熱視線(1/2 ページ)

» 2025年02月12日 17時30分 公開
[岡安太志ITmedia]

 「米国版のポケモンカードや日本のレトロゲームは活発に売買され、もはや買いつくされているような状況です。そこで“オリジナル”を求めて、日本に目が向けられているわけです」――そう語るのは、米国最大級のオークションハウス、ヘリテージ・オークションズ日本法人の松本麻生氏(マネージングディレクター)だ。

日本のコンテンツは外国人の爆買い対象に?(ゲッティイメージズ)
ヘリテージ・オークションズ日本法人 マネージングディレクター 松本麻生氏(編集部撮影)

 同社の2024年の年間総売上は18億6700万ドル(約2910億円)に達し、過去最高を記録した。直近4年間は連続増収を続けており、2020年の総売上8億7300万ドルから10億ドル増収したことになる。年間1100回を超えるオークションを開催し、公式Webサイトには年間3140万のアクセスがあるという。

 1976年の創業以来、同社は希少価値のある貨幣から始まり、美術品、時計、ジュエリーなど幅広いジャンルの物品を扱ってきた。その中で最も得意としているのがポップカルチャー・エンターテインメント関連アイテムだ。

 2024年の落札実績で目立ったのは、映画『オズの魔法使い』(1939年公開)にて女優ジュディ・ガーランド演じるドロシーが履いた“ルビーの靴”だ。この靴は激しい入札合戦の末、3250万ドル(約48.7億円)で落札された。

映画『オズの魔法使い』で女優ジュディ・ガーランドが履いた“ルビーの靴”(提供:ヘリテージ・オークション、以下同)

 スポーツ関連ではベーブ・ルースが1932年のワールドシリーズで着用した“ニューヨーク・ヤンキースのユニフォーム”が2412万ドル(約35.2億円)、コミック&コミックアート部門では、スーパーマンが初登場した『アクション・コミックス』第1号が600万ドル(約9億1000万円)で落札された。

ベーブ・ルースが1932年のワールドシリーズで着用した“ニューヨーク・ヤンキースのユニフォーム”

 世界のコレクターズアイテム市場の規模は急速に成長している。2020年は約56兆円だったところから年間平均5.4%のペースで拡大しており、2032年には120兆円規模に達するとみられている。市場規模に対する同社の売上高のシェアは1%にも満たない。「伸び代はかなり大きい」と松本氏は話す。

映画『タイタニック』でローズの命を救った“木の板”は71万8750ドル(約1億900万円)で落札された
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