「米国版のポケモンカードや日本のレトロゲームは活発に売買され、もはや買いつくされているような状況です。そこで“オリジナル”を求めて、日本に目が向けられているわけです」――そう語るのは、米国最大級のオークションハウス、ヘリテージ・オークションズ日本法人の松本麻生氏(マネージングディレクター)だ。
同社の2024年の年間総売上は18億6700万ドル(約2910億円)に達し、過去最高を記録した。直近4年間は連続増収を続けており、2020年の総売上8億7300万ドルから10億ドル増収したことになる。年間1100回を超えるオークションを開催し、公式Webサイトには年間3140万のアクセスがあるという。
1976年の創業以来、同社は希少価値のある貨幣から始まり、美術品、時計、ジュエリーなど幅広いジャンルの物品を扱ってきた。その中で最も得意としているのがポップカルチャー・エンターテインメント関連アイテムだ。
2024年の落札実績で目立ったのは、映画『オズの魔法使い』(1939年公開)にて女優ジュディ・ガーランド演じるドロシーが履いた“ルビーの靴”だ。この靴は激しい入札合戦の末、3250万ドル(約48.7億円)で落札された。
スポーツ関連ではベーブ・ルースが1932年のワールドシリーズで着用した“ニューヨーク・ヤンキースのユニフォーム”が2412万ドル(約35.2億円)、コミック&コミックアート部門では、スーパーマンが初登場した『アクション・コミックス』第1号が600万ドル(約9億1000万円)で落札された。
世界のコレクターズアイテム市場の規模は急速に成長している。2020年は約56兆円だったところから年間平均5.4%のペースで拡大しており、2032年には120兆円規模に達するとみられている。市場規模に対する同社の売上高のシェアは1%にも満たない。「伸び代はかなり大きい」と松本氏は話す。
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