日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
寝具メーカーの西川(東京都中央区)は、「Keeps クッション for beauty」(希望小売価格1万4300円)を2月中旬に発売する。“お尻のまくら”として人気の「Keeps」シリーズに寄せられた女性ユーザーの声を反映し、開発した。
西川は長年、睡眠科学を研究し、体圧を分散させて理想的な寝姿勢を保つマットレスやまくらを開発している。Keeps クッション for beautyは、同社がこれまでのまくら開発で培った圧力バランスの独自理論を応用した技術「Triangle Support SystemR」を採用した。
理想的な姿勢になる位置に骨盤がくるように、坐骨ポケットを設計している。ウイング型の背面が骨盤全体を支え、椅子に置くだけで正しい座り姿勢をキープできる仕様とした。
また、これまでの「Keeps」シリーズに寄せられた女性ユーザーの声を反映した。女性が座りやすいように座面をスリムにして圧迫感を軽減し、足がつきやすい仕様に仕上げた。コンパクトに折り畳んで持ち運びできるため、自宅だけでなくフリーデスクのオフィスでの使用も想定している。
西川は、高機能・高単価な商品の価値を効果的に伝えるため、自社で運営するコミュニティー「みんなの眠ラボ」を活用した商品開発・販売を強化している。お尻のまくらの先行商品として、2022年に発売した「Keeps クッション」は、コミュニティーに寄せられた意見がきっかけで商品化した。
Keeps クッションのテストマーケティングとして実施したクラウドファンディングでは、応援購入金額が1000万円を突破。その後の店頭販売と合わせ、発売から7カ月半で累計2万個を売り上げた。西川によると、現在も月3件ほどの社内からのコミュティーの活用相談が寄せられており、同社のマーケティング手法として定着しているという。
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