「自分では入れないような、あこがれの会社。ちょっと経験してみたかった」――ふだん食品系企業に勤める女性は、「大人のキッザニア」で伊藤忠商事の仕事を体験した後に笑顔でこう話した。
キッザニアといえば、子ども向けの職業・社会体験施設だ。もともとメキシコで始まり、日本に上陸したのは2006年。「ららぽーと豊洲」にオープンした。以来、兵庫県と福岡県にも展開し、現在は国内3施設が営業している。今回、16歳以上を対象として久しぶりに大人のキッザニアを開催した。
コロナ禍もまたいで約6年ぶりで、2〜3月にかけてキッザニア東京、キッザニア甲子園、キッザニア福岡でそれぞれ2回、計6回を実施中だ。詳細な人数は非公表だが、担当者によると先着順の申し込みはいずれも早期に完売したという。
もともとキッザニアといえば、教育(エデュケーション)とエンターテインメント(楽しさ)を掛け合わせた「エデュテインメント」として、職業体験を中心に社会の仕組みを学ぶ施設だ。言葉を換えれば「ふだんは経験できない、大人の世界を学べる施設」である。その施設に大人がこぞって来場するのは奇妙な逆転現象にも映る。
なぜ大人もキッザニアに熱中するのか。現地を取材した。
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