会社が何ら動きを取らない中「事案からしばらくして、中居氏から女性と問題が起きていると連絡があり、(中略)その後、両者で示談の動きが進んでいるとの情報も聞いていた」(港前社長)と、中居氏本人からトラブルの発生に関し説明があったともいいます。この時点で「両者で示談の動きが進んでいる」と聞いていたということは、中居氏がコンプライアンス違反行為に関して、自らの非を認めているのを知ったこととイコールです。
このタイミングで、フジテレビは中居氏のキャスティングを見直すべきでした。具体的には、レギュラー番組からの降板、あるいは事実関係の調査を経て、キャスティング問題なしとの組織決定がなされるまでの出演見合わせなどが最低限必要だったのではないでしょうか。
しかし、同社はこのタイミングでも何ら行動を起こすことなく、静観を続けました。加害者本人からトラブル発生と示談交渉中の報告がありながら、なおもコンプライアンス推進室と何ら情報共有がなかったことは、非常に信じ難いです。
中居氏をメインMCに起用していた番組は、そのまま何事もなかったかのごとく継続されました。さらにこの後も、中居氏を特番などでMCとしてキャスティングすることを局として容認していたのです。「コンプライアンス意識ゼロ」「ガバナンス不在」といえる状況です。
この件に関しては「中居氏が出演している番組を唐突に終了し、臆測が生じることを懸念して、慎重に終了のタイミングを図っていた」(港前社長)としていますが、2024年12月の週刊誌報道まで「約1年半」もの間、一切の動きがなかったことから、詭弁に過ぎないでしょう。
同時に、コンプライアンスよりも視聴率を優先した考えがあったのでないか、という疑問も湧いてきます。このことは、同社のコンプライアンス軽視行動の中でも特に重大なものであり、当該時点で事実を知っていた関係者への厳格な調査により、真実を明らかにする必要があると考えます。
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フジテレビの「ガバナンス不全」 日枝久氏の「影響力」の本質とは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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