キャッシュレス化が進む中、ポイントは単なる「お得」から「経済活動の一部」へと変貌を遂げている。本連載では、クレジットカード、QR決済、電子マネーを中心としたポイントプログラムの最新動向を追い、企業の戦略やユーザーへの影響などを分析する。
会員ID数1億5400万、アクティブユーザー数8600万人を抱えるVポイント。CCCMKホールディングス(以下、CCC)はこの巨大顧客基盤を活用し、モバイルVカードを好きなデザインに着せかえできる「Vキセカエ」という一見地味なサービスで、ポイント経済圏に新たな価値創造を図る。
「モバイルVカードをアニメやスポーツチームのデザインに着せ替える」という単純な仕組みの背後に、ポイント利用の根本的な変革を目指す戦略が見えてきた。
「Vポイントアプリを開くたびに『好き』に会える」。2025年2月5日に始まった「Vキセカエ」は、このコンセプトを掲げる。CCC取締役・撫養(むや)宏紀氏によると、スタート時点でアニメ5作品39種類のデザインが用意され、価格は1種類165円からだ。
サービスの仕組みはシンプルである。Vポイントアプリからネット決済で購入し、Vポイントでの支払いも可能。1人で何枚でも購入でき、その日の気分に合わせて着せ替えられる。
『進撃の巨人』『SPY×FAMILY』『ドラゴンボール DAIMA』『僕のヒーローアカデミア』『【推しの子】』といった人気アニメ作品から始まり、すでにゲーム『学園アイドルマスター』やサッカーの『水戸ホーリーホック』、バスケットボールの『福井ブローウィンズ』、アニメ『物語シリーズ』など新ジャンルのデザインも追加されている。
2月26日には「ドクターイエロー」のキセカエ発表会が代官山 蔦屋書店で開催された。お笑い芸人・中川家の礼二氏が制服姿で登場し、「右よし、左よし、ポイ活の未来よし!」と披露。タレントの横澤夏子氏は「ドクターイエローは子ども大好きで、見るとテンションが上がります! Vポイントを利用するたびに幸運の象徴ドクターイエローが見られるってすごく縁起が良い」と述べた。
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