「アプリだけに留めるつもりはない」と撫養氏は今後の展開についても意欲を見せる。「特別なサービス、企画を合わせて提供していきたい」というのだ。
「例えば、着せ替えの新しいコンテンツをリリースするタイミングで、SHIBUYA TSUTAYAでリアルでもイベントを実施する」と撫養氏は具体例を挙げる。「着せ替えを持った状態で渋谷のお店に行ってもらったら、こんなサービスが受けられる」といった特典を考えているという。買った人限定のクローズドイベントや優先的に入場できる権利なども検討されている。
長らくポイントサービスは「還元率」や「提携店舗数」といった経済的メリットを競い合ってきた。しかしCCCは「情緒的価値」に着目し、1983年から培ってきたエンターテインメント事業のノウハウを生かして、ポイントと「好き」を結びつける新たなエコシステムの構築に乗り出している。
単にポイントをためて使う経済的メリットだけでなく、アプリを開くたびに「好き」に会える喜びを提供するーー。そんな「感情価値を伴うポイント経済圏」への挑戦が始まっている。
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
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