サンフレッチェ広島は、2030年までに売上高100億円を目指す。これまで、ヴィッセル神戸と浦和レッズしか達成していない数字だ。
「カップ戦や女子チームも含めた集客の底上げ、スポンサー収入の増加、グッズやグルメの展開などでベースアップを図りながら、この目標を達成していきたい」と高見さんは展望を語る。
さらに、平和発信の拠点としての役割も重要だ。スタジアムが立つ場所は、戦後、平和記念公園を設計した建築家・丹下健三氏が構想していた場所とほぼ同じだという。丹下氏は平和記念公園の北側をスポーツや文化を通じて平和を創造する場所として描いており、長い年月を経てその構想が形となった。
原爆ドーム越しに「ピース(平和)」の名を冠したスタジアムが見えるその景観は、広島という街の歴史と未来を象徴しているようで意義深い。筆者が訪れた日にもアウェイチームのサポーターを中心に、スタジアムに隣接する原爆ドームへ足を運ぶ人々の姿が多く目についた。
サンフレッチェ広島では、毎年8月6日に近い時期に「ピースマッチ」を開催しており、スポーツを通じた平和発信を続けている。そして、2025年は戦後80年の節目でもある。「スポーツができる平和に感謝する」という考えのもと、さまざまなイベントを計画している。
エディオンピースウイング広島は、単なるスポーツ施設にとどまらず、街の文化、経済、コミュニティーの中心的存在として、さらなる発展を遂げようとしている。
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