サッカー専用スタジアムになったことで、観戦体験も大きく向上した。陸上トラックがあった以前のスタジアムと比べ、観客席とピッチの距離は最短で8メートルに設計されており、選手のプレーを間近で見られる臨場感は大きな魅力だ。
さらに、スタジアムには32メートル×9メートルの大型ビジョンを設置。これは、国立競技場(東京都)のビジョンと同サイズで、音響設備と相まって観客を魅了している。
集客力の向上は、ビジネス面の数字にも明確に表れた。2024年の売り上げは、前年の約42億円から約78億円へと大幅に増加し、スタジアムグルメの売上高(約4.4億円)、オフィシャルグッズ販売高(9.4億円)も過去最高を更新。グッズではペンライトや広島特産品、タオルマフラーが人気の上位を占めた。
クラブ会員数は2024年度に約7万3000人(前年比277%増)を見込んでおり、今季のシーズンチケットも2025年2月末時点でほぼ完売の状況だという。
新スタジアムの設計にあたっては、サッカーの本場である欧州ではなく、米国のスタジアムを参考にした。ピッチの近さに加え、音響と演出効果でエンターテインメント要素を向上させる点を参考にした。
前シーズンは、ファン参加型のイベントとして、「超熱狂NIGHT FES」や「超熱狂バイオレットハロウィーン」などを開催。試合の前後やハーフタイムには、光や音の演出に加え、炎や花火を使ったショーを実施し、ライブのような雰囲気を演出して観客を盛り上げた。
「安心・安全に試合を楽しんでいただくと同時に、演出面にも力を入れている。スポーツとエンターテインメントを融合させたことが、集客増の要因」と、高見さんは振り返る。
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