ファミマがハナバイヒンス投入にあたり掲げる目標は、2025年度の化粧品カテゴリーの売上高を前年度比20%増とすること。初動は好調で、目標に向かって順調に推移している。加えて、「これまでになかった反響が見られている」という。
「発売日には、ハナバイヒンスを目当てに来店する方が多くいました。一部の店舗では、開封前の段ボールを指して、『開けてもらえますか?』と同製品の陳列を急かす方もいたほど。従来のコンビニ化粧品は、急な宿泊予定などによる『緊急買い』が中心で、これほどまでに化粧品への熱量を感じたのは初めてです」(上村氏)
通常、ファミマでは発売したタイミングで情報を公開しているが、ハナバイヒンスは発売の約1カ月前に解禁した。プレスリリースも2回に分けて発信し、情報を小出しにした。さらに、ヒンスが得意とするSNSも駆使してターゲットへのリーチを狙った。こうした情報発信も功を奏したようだ。
現状の売れ筋を聞くと、1番人気は「ウォーターグラスティント」(全4色、990円)、次いで「トリプルアイパレット」(全3色、1450円)、「シャインハイライターバーム」(全2色、990円)となっている。
「これまでのメーク製品と比較すると、10〜20代女性の割合が2倍以上に伸びています。概ね予想どおりですが、約30%の方が複数個を『まとめ買い』されるのと、アイパレットで『ブラウン系』(キャラメル)が一番人気なのは予想外でした」(上村氏)
「韓国では、ブラウンカラーを使った『モカメーク』が流行っていて、SNSでは『キャラメルでモカメイクができる』と投稿されていました。全体的に淡い色で仕上げる『ノーカラーメーク』もトレンドのようで、想定よりも大人っぽい色が売れています」(角田氏)
今後は、季節に合わせた新色や限定商品などを展開する予定だ。現在はクリスマス向けに華やかさを増した製品を開発中だという。「メークはハナバイヒンスに集約する一方で、スキンケアは新たな韓国ブランドの展開を検討している」と上村氏は話した。
韓国コスメ市場では、大手コンビニ3社で最も後発となったファミマだが、狙った成果が出始めている。3社の化粧品の動向にさらなる注目が集まりそうだ。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。
その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
関連サイトはこちら
「風呂は固定」が常識だよね? それでもリクシルが“片付けられる浴槽”を開発した理由
デパ地下を「7階」に移してどうなった? 西武池袋の実験で分かった意外なこと
ローソンの「韓国コスメ」がバカ売れ 7カ月で200万個も売れた「4つ」の秘密
サントリー「VARON」 が30億円を突破 中高年男性になぜ選ばれるのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング