“ゆる短文”コミュニケーションしか知らない新入社員、怒る前にやるべきこと「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)

» 2025年04月07日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

極端な短縮化とテンポ重視の若者言葉

 若者の言葉が分かりにくい大きな理由の一つは、スタイルが「極端な短縮化」と「テンポ重視」だからだ。2025年の若者言葉のトレンドを見ても、既存の略語をさらに短縮・強調する動きが進んでいる。

 AさんとBさんの会話を読んでもらいたい。テーマは「テストの点数」だ。

 Aさん:「どう?」

 Bさん:「微妙」

 Aさん:「70?」

 Bさん:「下」

 Aさん:「50?」

 Bさん:「上」

 Aさん:「60?」

 Bさん:「近い」

 Z世代はSNSの影響もあり、短文でゆるいラリーを求めている。ショートメッセージでのコミュニケーションに慣れた若者は、長い文章を組み立てるよりも、短く印象的なフレーズで伝えることを重視する。この傾向が職場での曖昧なコミュニケーションにつながっているのだ。

「体言止め」が多すぎる新入社員の言葉

 言葉を短くするのに便利なのは「体言止め」だ。体言止めとは、文章を名詞や形容動詞の語幹で終わらせる表現のこと。

 ある社長が「入社して心掛けることは?」と3人の新入社員に聞いたところ、

 Xさん:「自己管理」

 Yさん:「柔軟性」

 Zさん:「営業活動」

 このように返ってきて戸惑ったそうだ。「単語で答えるんじゃなくて、もっと詳しく」と注意したら、

 Xさん:「自己管理の徹底」

 Yさん:「柔軟性アップ」

 Zさん:「新規開拓」

 このように「体言止め」で答えられてしまった。

 「私は体言止めが大嫌いなんです」

 社長はそう言うが、確かにスローガンや標題ならともかく、コミュニケーションで使うのなら控えたほうがいい。相手に正しく伝わらないし、自分の頭も整理しづらいからだ。

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