若者の言葉が分かりにくい大きな理由の一つは、スタイルが「極端な短縮化」と「テンポ重視」だからだ。2025年の若者言葉のトレンドを見ても、既存の略語をさらに短縮・強調する動きが進んでいる。
AさんとBさんの会話を読んでもらいたい。テーマは「テストの点数」だ。
Aさん:「どう?」
Bさん:「微妙」
Aさん:「70?」
Bさん:「下」
Aさん:「50?」
Bさん:「上」
Aさん:「60?」
Bさん:「近い」
Z世代はSNSの影響もあり、短文でゆるいラリーを求めている。ショートメッセージでのコミュニケーションに慣れた若者は、長い文章を組み立てるよりも、短く印象的なフレーズで伝えることを重視する。この傾向が職場での曖昧なコミュニケーションにつながっているのだ。
言葉を短くするのに便利なのは「体言止め」だ。体言止めとは、文章を名詞や形容動詞の語幹で終わらせる表現のこと。
ある社長が「入社して心掛けることは?」と3人の新入社員に聞いたところ、
Xさん:「自己管理」
Yさん:「柔軟性」
Zさん:「営業活動」
このように返ってきて戸惑ったそうだ。「単語で答えるんじゃなくて、もっと詳しく」と注意したら、
Xさん:「自己管理の徹底」
Yさん:「柔軟性アップ」
Zさん:「新規開拓」
このように「体言止め」で答えられてしまった。
「私は体言止めが大嫌いなんです」
社長はそう言うが、確かにスローガンや標題ならともかく、コミュニケーションで使うのなら控えたほうがいい。相手に正しく伝わらないし、自分の頭も整理しづらいからだ。
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