最後に、五十鈴さんは3つのフレームに落とし込むことにしました。自己紹介の3つのフレームは「5秒間の自己紹介」「18秒間の自己紹介」「58秒間の自己紹介」でした。
日曜の、とっておきの朝に食べてほしい。そんな思いを込めて、私たちは、このパンを作りました。
仕事。家庭生活。プライベート。いろいろあったひと月をよく乗りきりましたね。そんながんばったみなさんに、日曜の朝だけはほっとしてほしい。そんな思いで作ったパンです。店主のまごころはもちろん、小麦や酵母、バターや砂糖の生産農家のみなさんの誠心誠意が、ふっくらと焼き上がっています。誰も経験したことのない、とっておきです。
食べたお客さまはみなさん、おいしいというより感動ですね、と言ってくださいます。最初は息子を喜ばせたい一心で始めたパンづくりですが、多くの仲間と家族の協力に支えられて、ついにこの味へと、たどりつくことができました。一番味わっていただきたいのは、仕事、家庭生活、プライベート……全部がんばったみなさんです。だけど、がんばれなかったみなさんにも、日曜の朝だけは、こころも体もほっとしてほしい。そんな思いで素材を選び、生地を練り、窯の炎を見つめました。
店主のまごころはもちろん、小麦や酵母、バターや砂糖の生産農家のみなさんの誠心誠意がこの一斤に込められています。誰も、どこでも経験したことのない、とっておきのパンです。
という3つのフレームを考えました。これを考えておけば、店内のPOPやチラシ、あるいはWebページを作成する際に、お客さまに対し、一貫したアプローチをとることができます。
バスケットも考えておきましょう。バスケットの役割とは「コミュニケーションをとる準備ができていますよ」と相手に意思表示することでした。 「超ナチュラルオーガニック食パン」なら、お客さまにどんなバスケットを広げるでしょうか?
相手を好きになり、コミュニケーションを交わしたいと願い、そして何か役に立てることはないか、役に立ちたいなあと考え、まず自分から胸襟を開けることを「バスケットを差し出す」といいます。バスケットとはカゴのこと。まず自分が空のバスケットを相手に差し出して「受け入れる用意がありますよ」と意思表示するのです。
本書冒頭で私は「はじめまして」と述べました。目指したい自己紹介では「こんにちは」が皮切りの言葉でした。これがバスケットです。
やっぱり「おはようございます!」だろう、と五十鈴さんは考えました。
でも、これだけではお客さまに「面白そう」と思わせることはできないかもしれません。そこで「!」の部分をロゴやイラストに置き換えてみることにしました。しかしプロのすばらしいイラストでは「手づくり」感や誠意が、お客さまに伝わりづらいのではないだろうか。そう考えた五十鈴さんは「超ナチュラルオーガニック食パン」の似顔絵を息子に描かせて、それをロゴのように用いることにしました。息子は、なんとも味わいのある、ほほえましいイラストを描いてくれました。
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