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USJの「思わず笑顔になる」褒め合い文化に学ぶ ポジティブなチームの作り方(2/2 ページ)

» 2025年04月10日 07時00分 公開
[梅原千草ITmedia]
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USJが実践 チーム内のポジティブ感情を高める「Hand IN Hand」

 ポジティブ感情とネガティブ感情の3:1という割合は、チームにおいても同様の効果を生み出します。何もしなければネガティブな状況に陥りやすいため、チームメンバーの承認欲求を満たす働きかけが必要なのです。

 「私はチームに貢献できている」「私はチームにとって必要な存在である」と自信を持ってもらえる状態を作るために、リーダーから積極的に感謝の言葉や認める言葉をかけ、メンバー間でも承認欲求を満たし合えるような状況を作り出します。

 USJには、クルー同士が感謝や称賛を伝え合う「Hand IN Hand」という仕組みがありました。

 複写式の名刺サイズのカードに、「朝会うときにいつも笑顔で挨拶してくれてありがとう。元気になれます」「先日は相談に乗ってくれてありがとうございました。挑戦してみますね」「今日の会議での発言すごくよかった。これからもどんどん発言してください」など、相手のいいなと思ったことや感謝したいことがあった際に、その気持ちを書いて相手に渡すというものです。複写になっているのは、1枚は相手に、もう1枚は回収ボックスに入れるためです。回収ボックスに集まったものは、定期的に集計をして、多くもらった人だけでなく、多く渡した人も表彰される素敵な仕組みでした。

 最初はなかなか利用する人が少ない状況でも、まずはリーダーから渡していると、もらったときの嬉しい経験につながり、次第にメンバー同士やメンバーからリーダーへも渡されるようになっていきました。

 このような取り組みは、もらった人の承認欲求が満たされるだけでなく、

  • メンバーのいいところを見つけようという意識が働く
  • 渡すとき、渡されるときに、笑顔のコミュニケーションが生まれる
  • 渡す側も相手の喜んでいる状態を見ることで、貢献できたという満足感が得られる
  • カードに書かれた行動を繰り返すようになり、チームにプラスの行動が増える

という効果をチームに与えてくれます。

 カードは作れなくても、付箋に感謝を書いて渡したり、メールの最後に一文でも感謝の言葉を入れたり、朝礼やチームミーティング、四半期報告会などの場で、感謝の言葉をかけ合う時間を取ることもできます。

 最初は照れてしまうかもしれませんが、きっと、メンバーは笑顔になりますよ。その状況を見て、またリーダーのポジティブな感情も高まるという好循環が回り始めます。

筆者プロフィール:梅原千草(うめはらちぐさ)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン事業会社に新入社員第1期生として入社。2010年に社内教育機関ユニバーサル・アカデミーを立ち上げ、初代学長としてV字回復期の人材育成に貢献。

2015年に独立。株式会社SmiLearnを設立し、自走する個人、自走するチーム作りを支援すべく、人材開発コンサルタント及び研修・講演講師として活動中。


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