Z世代の8割以上が資格取得に関心を持っている──。そのような結果が、グローバル人材教育事業を展開するアビタス(東京都渋谷区)による調査で明らかになった。キャリアアップにもつながる資格取得だが、Z世代が学びたい資格分野とは?
資格取得への関心度について、「なんとなく興味はあるが、まだ考えていない」と回答した人は58.8%と半数を占めた。「取得したい資格がある」「すでに資格を取得しており、今後さらに取得したい資格がある」と積極的な意向を示した層は22.4%に上り、合わせて8割以上が何らかの資格取得に関心を寄せていることが分かった。
興味のある資格分野は「語学」(TOEICなど)が最多となり、43.2%だった。以降は「ビジネス・経営」(23.0%)、「IT・デジタル」(21.6%)と続き、実務に役立つ実学系資格への人気が高い傾向となった。男女別に見ると、女性は「語学」が最も高く48.5%、男性は「IT」が最も高く34.5%となった。
一方で、「会計」(公認会計士・米国CPA・簿記など)に興味がある学生は15.0%にとどまり、「法律」(8.0%)、「不動産」(9.2%)と同様に専門性の高い資格分野は関心層が限られる結果となった。
資格取得の目的については「就職・転職に有利になるから」が最も多く、37.1%。次いで「スキルアップのため」(25.8%)、「興味がある分野の知識を深めたいから」(17.6%)と続いた。
資格取得にあたり重視する点とは。最も多い回答は「就職・転職・昇進に有利な資格がほしい」となり、55.4%と過半数を占めた。「コストの低さ」(22.3%)や「短期間で取得できること」(22.3%)を大きく上回る結果となり、Z世代の学生にとって、資格は将来の就職・キャリアに直結する実用的な手段として位置付けられていることがうかがえる。
代表的な国際資格である米国公認会計士(USCPA)について、「知っていて内容もある程度理解している」とした人は9.0%にとどまった。また、「初めて聞いた」とした人は70.4%に上り、認知度の低さが明らかになった。一方で「興味はあるが、難しそう」と関心はあるものの、ハードルの高さを感じている層は34.6%だった。
同社は、「将来に役立つ資格であっても情報不足や難易度への先入観により敬遠されてしまっている可能性がある」と分析。グローバル化が進む一方で、国際資格のように知名度が低いがゆえに、検討の選択肢にすら挙がらない資格が多く存在する現状が浮き彫りとなった。
調査は2025年3月上旬に実施。関東圏(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)在住の18〜25歳の男女学生500人を対象とした。回答者の内訳は男性142人・女性358人、年代構成は18〜19歳が250人、20〜25歳が250人。
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