十分なハラスメント対策をしている職場の半数近くで、「逆ハラ」が発生している――こうした結果が、企業組織、財務関連のコンサルティングを手掛けるA&Sフィナンシャルアドバイザリー(東京都千代田区)の調査で分かった。
ハラスメントの対応状況については「対策をしているが不十分」が最も多く、37.8%。「十分な対策をしている」は20.3%で、約8割の会社がハラスメントの対策を強化する、もしくは新たに始める必要があることが分かった。
職場でのハラスメントの有無について聞いたところ、63.7%が「起きている」と回答した(「よく起きている」11.8%、「たまに起きている」51.9%の合計)。ハラスメントが起きる度合いを対策の有無と組み合わせたところ、「十分な対策をしている」職場では、ハラスメントが起きている割合が46.9%だった。「対策が不十分、もしくは全く対策をしていない」職場では75.4%となった。
「十分な対策をしている」職場では、ハラスメントが全く起きていない割合は53.1%と半数を超えた。「対策が不十分、もしくは全く対策をしていない」職場では24.6%となり、A&Sフィナンシャルアドバイザリーは「対策をしていても十分に機能していない、現場に浸透していない可能性がある」と分析する。
近年、部下から上司に対して行われる「逆パワハラ(逆ハラ)」も増加傾向にある。逆ハラが起きる度合いを対策の有無と組み合わせたところ、パワハラに関して「十分な対策をしている」職場で逆ハラが全く起きていない割合はは58.6%、「対策が不十分、もしくは全く対策をしていない」職場では46.4%だった。十分な対策をしている職場でも4割以上、十分な対策をしていない職場では5割以上で、逆ハラが起きているようだ。
A&Sフィナンシャルアドバイザリーは「従来のハラスメント対策が、かえってハラスメントへの過剰な意識を生みだしている可能性がある。適切な対策を行うには、正しい知識とハラスメントの境界線の理解が不可欠だ」と指摘する。
調査は2024年12月19日、会社員の男女800人にインターネットで実施した。
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