みずほ銀行産業調査部・流通アナリスト12年間の後、独立。地域流通「愛」を貫き、全国各地への出張の日々を経て、モータリゼーションと業態盛衰の関連性に注目した独自の流通理論に到達。執筆、講演活動:ITmediaビジネスオンラインほか、月刊連載6本以上、TV等マスコミ出演多数。
主な著書:「小売ビジネス」(2025年 クロスメディア・パブリッシング社)、「図解即戦力 小売業界」(2021年 技術評論社)。東洋経済オンラインアワード2023(ニューウエイヴ賞)受賞。
外食大手の2024年10〜12月の営業利益がおおむねコロナ前を上回った、という報道がされるようになった。周知の通り、多くの外食産業はコロナ禍で甚大なダメージを受けたし、そこから復活したというのは日本経済にとって喜ばしいことだ。実際に外食大手企業の直近の業績を並べてみた(図表1)。確かにほとんどの企業が増収増益を達成しているし、その伸び率も割と大きい。
図表1でまとめた業績を見る限り、外食業界は順調にみえる。ただ、既存店データを見てみると、手放しで安泰とはいえないようだ。既存店売上の対前年増減率を見ると、業績と同様に多くの企業が増収を維持しているものの、客数を見るとマイナスに転じているケースが多い。
ざっくり言えば、少しずつ実施した値上げの効果で客単価が上昇し、客数が減っても売上が若干プラスになっている、というほうが実態に合った見方といえるだろう。
図表2は、主な上場外食チェーンの既存店売上・客数・客単価を分解して開示している企業を任意に抽出し、既存店売上の前年同月比増減率を並べたものだ。
マイナスになっている月を網掛け表示してみたところ、マイナス目立つのはくら寿司、かっぱ寿司を展開するカッパ・クリエイトの2社ぐらいだろう。回転すし業態については米をはじめとした原材料価格高騰の影響もあり、コスパの維持に苦しんでいるようだが、その他の企業は順調に推移しているようにみえる。
図表3は、同じ銘柄で既存店客数の増減率を抽出したものであるが、こちらでは一転して、マイナスの網掛け部分がかなり多くなっている。つまり、値上げによって客離れが起きているが、単価の上昇により全体では増収が実現している、という状況が示されている。
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