こうした理屈は以前から存在していたが、従来はマーケティングやデータ分析が困難で、コストも見合わなかったため実施されてこなかったのだろう。しかし近年は、企業のDX化や決済手段のデジタル化が進んだことで、店舗ごとの市場分析や検証も技術的に可能になってきている。
外食におけるDX化といえば、注文の無人化やロボットによる配膳といった省人化が想像されがちだが、本質は顧客行動のビッグデータを収集し、顧客ニーズをより正確に把握・分析し、マーケティングへ活用することにある。
広域に展開する大手チェーンこそ、DXインフラを活用して市場を細分化すべき段階に来ている。
標準化(店舗の仕様やオペレーションを統一すること)はチェーンストア理論の基本ではあるが、全国どこでも同じ店を多数出店し、統一オペレーションによって利益を最大化するという単純なスケール戦略は、市場が縮小しつつある日本では今後、通用しなくなっていくだろう。
地域や顧客層、時間帯などに応じて、よりきめ細かく対応していくことが必要な時代に入っている。DXを活用した緻密なマーケティング基盤を持つ企業こそ、二極化しつつ縮小していく国内市場で生き残れるはずだ。
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