これらの要素が複合的に作用し、人気ユーチューバーを始め多くのユーザーが、GoogleがAI競争でリードを奪ったと考えているのだろう。
しかし、一方で、より慎重な意見や批判的な見解も存在する。あるRedditユーザーは、調査、推論、創造的な出力を含むタスクでChatGPTがGemini 2.5 Proを上回ったと報告しており、別のユーザーは、Gemini 2.5 Proは「コーディングには優れているが、他のすべては平均的」であると述べている。またモデルの不安定さや、Web検索やツール使用に関する問題を経験しているという報告もある。
さらに、Gemini 2.5 Proは強力なベンチマーク結果を示しているものの、一部の人は、ベンチマークが操作されている可能性や、実際のパフォーマンスは異なる可能性があると主張している。また、大規模なコンテキストウィンドウは強力な機能だが、実際にその全体を効果的に活用するのは難しいという課題も指摘されている。
加えて、OpenAIをはじめとする競合他社も黙って見ているわけではない。OpenAIは開発者の要望に応えたGPT-4.1をリリースしたし、AnthropicもClaudeシリーズで着実に進化を続けている。AI技術の進歩は非常に速く、今日のリードが明日も続くとは限らない。
AIの世界の変化は速い。Googleの「勝利」は一時的なものかもしれない。引き続き最先端の開発競争を注意深く見守っていく必要がありそうだ。
本記事は、エクサウィザーズが法人向けChatGPT「exaBase 生成AI」の利用者向けに提供しているAI新聞「『AI競争はGoogleの勝ち!?』 米テック系ユーチューバーが絶賛する新モデル」(2025年4月14日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。
湯川鶴章
AIスタートアップのエクサウィザーズ AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。17年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(15年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(07年)、『ネットは新聞を殺すのか』(03年)などがある。
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