総務は「ラクそう」は大間違い 知ってほしい、不安とジレンマ「総務」から会社を変える(4/4 ページ)

» 2025年05月09日 08時30分 公開
[豊田健一ITmedia]
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総務をどう守り、支えるか

 では、どう守るか? まず必要なのは、総務の仕事の「見える化」だ。見えにくい業務を定量化し、成果やプロセスを正しく評価する。さらに、総務自身がその専門性を言語化し、内外に発信していく必要がある。

 総務自身も「これは誰でもできる仕事、改めて知らせる必要はない」と考えているはずだ。しかし、知らなければ評価しようがないし、応援もできない。厳しいことを言うが、社内に「総務が何をしているかを知りたい」と思っている人はいるだろうか? 総務から積極的に情報発信していかないかぎり、正当な認知と評価はされないだろう。総務自身を守るのは、総務自身なのである。

soumu 提供:ゲッティイメージズ

 そこで役立つのが「ぶらぶら総務」だ。現場に出向き、気軽に社員に声をかけて、現場の課題感や空気感を探っていく。その際、総務のことについても情報発信していくのだ。総務は何を今考えて、これから何をしようとしているのか。あるいは、日々対応していることを伝えながら、同様の課題はないかを尋ねる。総務に所属しているメンバーのスキルを伝えて「困ったら相談してね」と伝えてみる。

 ぶらぶら総務の極意は、知るとともに知られることだ。このような活動を継続していくことで、総務の認知も高まり、結果「ここまでやってもらえるのだ」という評価につながっていくのではないだろうか。

 正しい認知がされない限り、総務業務の正当性や専門性は疑問視され続ける。だが、総務ほど幅広く、社員のためを思って仕事をしている部署は他にはない。その自負があるのであれば、それを発信していくことは問題ない。大いに総務について発信していこう。

著者プロフィール・豊田健一(とよだけんいち)

toyoda

株式会社月刊総務 代表取締役社長/戦略総務研究所 所長/(一社)FOSC 代表理事/(一社)IT顧問化協会 専務理事/日本オムニチャネル協会 フェロー

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)FOSC代表理事、(一社)IT顧問化協会 専務理事/日本オムニチャネル協会 フェローとして、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。

著書に、『リモートワークありきの世界で経営の軸を作る 戦略総務 実践ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター、以下同)『マンガでやさしくわかる総務の仕事』『経営を強くする戦略総務』


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