TOPIXに入っている個別企業の過去1年間のトータルリターンを見ると、生成AIの需要拡大を背景に、データセンター向けケーブル部材を手がけるフジクラが1位にランクインしています。
その一方で、特に注目したいのは、2位にランクインしているIHIと、9位の三菱重工です。川崎重工を含むこれらの重工3社は、いずれもこの1年間で大幅な株価上昇を記録しています。
この1年間はもちろん、5年単位で株価の推移を見ると、最も高い伸び率を示しているのが三菱重工です。同社の株価は5年前と比較すると約871%増。次いでIHIが714%増で、川崎重工も421%増(いずれも2025年4月15日時点)と、非常に高い伸びを記録しています。
株価上昇の要因としては、トランプ大統領が主張してきた「米国の防衛にタダ乗りするな」というメッセージが、各国の防衛政策に大きな影響を与えたことが挙げられます。こうしたトランプ大統領の発言により、特にドイツは、これまでかたくなに拒んできた基本法(憲法に相当)の改正にまで踏み切り、防衛費を拡大させる動きを取っています。
日本政府も、これまではGDP比1%だった防衛費を2027年度までに2%へと引き上げる方針を示しています。こうして防衛費が確実に増していることも、防衛産業の株価を押し上げる要因となっています。
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