万博の会期は10月まで。来場者数は2820万人を想定しており、うち10%強を外国人として見込む。全員が大阪府内に泊まるわけではないが、期間中はホテル価格を下支えし続けるだろう。
万博後も大阪のホテルは高い状況が続くと筆者は考えている。前述の通りインバウンドによるホテル価格への影響は大きい。その上、政府はインバウンドをさらに呼び込む方針だ。今年は国内全体で初の4000万人突破が予想されている一方、政府は2030年の6000万人を目標としている。前倒しで達成すれば、目標値をさらに引き上げる可能性もある。
価格への影響度が小さい日本人の国内旅行者数はコロナ禍以前を下回っており、人口減少と高齢化で今後も減少が進むだろう。大阪では夢洲で統合型リゾートの建設が始まっており、予定する2030年の開業後は富裕層のインバウンドも増えるはずだ。気軽な国内の旅行先としてあげられる大阪だが、今後は宿泊費の面でハードルが上がるかもしれない。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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