日本語教師はどう変わる? 資格にかかる費用、働き方、収入事情「ありがとう」と言われる(4/4 ページ)

» 2025年05月23日 08時00分 公開
[徳田淳子ITmedia]
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(7)新しい生き方を支える選択肢として

 社会全体で「学び直し」や「リスキリング」に前向きな価値観が広まりつつある今、日本語教師という仕事は、年齢や職歴に関係なく、誰もが挑戦できる未来志向の職業です。人生100年時代を見据え、「やりがい」や「生きがい」、そして「誰かの役に立つ喜び」を実感しながら、自分らしく働き続ける――そんな新しい生き方の選択肢として、日本語教師は今、確かな注目を集めています。

(8)企業における日本語学習支援の新たな役割

 今後、特定技能制度における対象分野のさらなる拡充が見込まれる中、企業にとって外国人材を受け入れる機会はますます増加していくと予想されます。そうした中で、企業内における日本語学習支援の重要性は一層高まっています。日本語教育の充実は、業務の円滑な遂行や生産性の向上に資するだけでなく、外国人材が日本での生活に適応し、安心して働き続けるための基盤ともなります。結果として、外国人社員の定着率向上にも寄与することが期待されます。

 すでに一部の企業では、日本語教育を外部委託するだけでなく、社内に教育機能を内製化する動きも見られ始めています。これは、単なる語学支援にとどまらず、多様性を受け入れ共に成長する企業文化の醸成にもつながる取り組みだと言えるかもしれません。

著者プロフィール:徳田淳子

株式会社TCJグローバル、グローバル教育事業マネージャー兼日本語総合研究所主任研究員、登録日本語教員、国家資格キャリアコンサルタント

 日本語教師養成講座修了、日本語教育能力検定試験合格。国際交流基金「EPAに基づく日本語予備教育事業」に日本語教師としてインドネシア派遣。外国人政策情報発信プラットフォーム「にほんごぷらっと」編集広報担当。

 日本語教育隣接領域における研修を主催する「ことばと学びでつながるなかまの会」「ももの会」創設メンバー。国内MBA取得。TCJでは、留学事業教務リーダー、日本語教師養成講座事業マネージャーを経験。

 2022年5月 日本語教育学会春季大会口頭発表。秋田美帆・牛窪隆太・徳田淳子「実習生が抱く「職業としての日本語教師」への 不安要素―アンケート調査の結果から―。2024年「ことばと公共性―言語教育からことばの活動へー」明石書店(共著)


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