2026年に発売40周年を迎える「ねるねるねるね」。多くの知育菓子を手掛けるクラシエのロングセラー商品だ。2025年時点で、累計販売数は9億食を超えた。国内だけでも約65億円規模といわれる知育菓子市場において、10%以上の売り上げを占める。
近年は子ども向けの商品だけでなく、大人をターゲットにした商品も展開しているが、どのような戦略で商品開発を進めているのか。長年多くのファンを抱える人気の秘訣(ひけつ)とは。商品開発を担当しているマーケティング室 菓子部の部長・菊池光倫さんに話を聞いた。
「ねるねるねるね」の誕生は1986年。その数年前から、同社では子ども向けの粉末ジュースを発売していた。粉末を水で溶かすとシュワシュワした飲料になるものだが、その技術を生かしたお菓子を開発できないかと模索していた。
そんな中、当時の開発担当者が砂場で泥遊びをしている子どもを発見。楽しそうに泥を混ぜる動作を見て、「これをお菓子に取り入れられないか」と考えたという。粉末の色が変わって膨らむ。そんな驚きの要素を加えて「子どもが笑顔になれる商品をつくりたい」との思いで誕生したのが、「ねるねるねるね」だ。
「普通のお菓子はパッケージの中に食べるものだけが入っているが、『ねるねるねるね』は専用トレイを付けて、そこでつくっていく。トレイ自体が小さな遊び場となっている」(菊池さん)
商品名の「ねるねるねるね」は、「ねりんちょ」や「ねるねるね」など数ある候補の中から、最終的に語呂の良さで決まったという。
商品の特徴は「色代わり」と、重曹と酸の反応を生かして実現している「ふくらみ」の2点。特にこだわっているポイントはフレーバー展開だ。さまざまな色とフレーバーを展開しており、その数は約40年で累計50種類ほどに上る。
「時代のトレンドに合わせてメロン味やチョコバナナ味、変わり種だと梅あられ味などにもチャレンジしてきた」
味だけでなく、保護者の声を反映してトレイの形状を変更したり、袋に記載する作り方を子どもにも分かりやすく工夫したりと、改良を重ねている。
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