「香水・オーデコロン市場」が、2年で約1.9倍に急拡大している。経済産業省の生産動態統計調査によると、2021年の同市場の販売金額は約47億円だったが、2022年は約65億円(前年比約1.4倍)、2023年は約90億円(同約1.4倍)とコロナ禍を通じて伸びている。
国内では、指定の香水を少量で購入できる月額数千円からの「香水サブスク」や、1000円以下から購入できる「香水量り売り専門店」なども登場している。
そんな香水市場で注目度が上昇しているのが、調香師の個性が表現された少量生産の「ニッチフレグランス」だ。シャネルやディオールといったラグジュアリーブランドが発売する大規模生産の香水とは、対照的なカテゴリーだ。
2017年に創業したニッチフレグランス専門店「NOSE SHOP」(ノーズショップ)は、国内13店舗とECサイトを運営(2025年5月現在)。売り上げを見ると、2022年は前年比36%増、2023年は同34%増と安定した成長が続いている。香水初心者をターゲットにしているが、客単価は2万円弱に達するという。
欧米などと比べて日本人は強い香りを好まない傾向があり、日本は香水が売れづらい市場とも言われるが、なぜ「香りの需要」が拡大しているのか。ノーズショップ社(東京渋谷区)の中森友喜社長に、「事業戦略」と「香水市場が伸びている背景」を聞いた。
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