アリーナの4階にはVIPエリアを設置。個室(18室)とラウンジ席(192席)を用意したところ、ラウンジ席は完売し、個室も残りわずかという高い契約率を達成した。「開業から1カ月で内覧する時間も少ない中、地元の企業から期待を寄せていただいた」と渋谷氏は説明する。
神戸ストークスは2026年から始まる新トップカテゴリー「B.PREMIER」への参入も決定している。参入に必要な売上高12億円以上、平均入場者数3000人以上、収容人数5000人以上の新設アリーナなどの基準をクリアしたことで、チームの将来への期待も、VIPエリアの契約を後押しする要因となったといえる。
また、VIPエリアでは特徴的な販売戦略も展開。年間契約では、神戸ストークスのレギュラーシーズン30試合だけでなく、ライブなどのイベント20日分の使用も保証し、「年間50日分の利用権」として販売した。バスケットボールの試合以外の魅力を訴求したことも成約率の向上につながった要因だ。
開業後の4月は試合を含め、15日間にわたって興行を実施するなど、多目的アリーナとしてアーティストのライブや各種イベントを積極的に誘致している。
神戸ストークスがプレーオフ進出を逃し、予定していた試合日程が空いた5月には、アリーナツアーやパブリックビューイングを開催したところ、大きな反響を呼んだ。視察目的で訪れる企業も多く、新たな需要を掘り起こしている。
「広島の新スタジアム」集客率90%超の理由は? 街中に広がる“紫”の熱狂
「北海道のボールパーク」人気の理由は? 418万人を引き寄せた“試合以外の300日”
ジャパネットが手がけた「長崎スタジアムシティ」 開業1カ月で55万人来場のワケ
60歳の「神戸ポートタワー」が生まれ変わった 集客力を高めるために“仕掛け”ありCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング