なぜ“アリーナ”に人が集まるのか? 神戸「GLION ARENA」に25万人が訪れた理由(3/6 ページ)

» 2025年06月10日 06時00分 公開

2026年に「B.PREMIER」への参入も決定

 アリーナの4階にはVIPエリアを設置。個室(18室)とラウンジ席(192席)を用意したところ、ラウンジ席は完売し、個室も残りわずかという高い契約率を達成した。「開業から1カ月で内覧する時間も少ない中、地元の企業から期待を寄せていただいた」と渋谷氏は説明する。

 神戸ストークスは2026年から始まる新トップカテゴリー「B.PREMIER」への参入も決定している。参入に必要な売上高12億円以上、平均入場者数3000人以上、収容人数5000人以上の新設アリーナなどの基準をクリアしたことで、チームの将来への期待も、VIPエリアの契約を後押しする要因となったといえる。

photo ラウンジ席

 また、VIPエリアでは特徴的な販売戦略も展開。年間契約では、神戸ストークスのレギュラーシーズン30試合だけでなく、ライブなどのイベント20日分の使用も保証し、「年間50日分の利用権」として販売した。バスケットボールの試合以外の魅力を訴求したことも成約率の向上につながった要因だ。

photo VIPエリアの個室

 開業後の4月は試合を含め、15日間にわたって興行を実施するなど、多目的アリーナとしてアーティストのライブや各種イベントを積極的に誘致している。

 神戸ストークスがプレーオフ進出を逃し、予定していた試合日程が空いた5月には、アリーナツアーやパブリックビューイングを開催したところ、大きな反響を呼んだ。視察目的で訪れる企業も多く、新たな需要を掘り起こしている。

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