ネスレ日本では、コンタクトセンター業務での生成AI導入についても積極的なチャレンジを続けている。
2023年から、生成AIのスタートアップ、KandaQuantum(東京都千代田区)と顧客対応領域に関する共同研究を進めてきた。
ネスレ日本はこれまでの研究で培ってきた知見を生かし、問い合わせ窓口の一元化に取り組む方針だ。これまで、電話、FAQ、メールフォーム、チャットボットなど、問い合わせの窓口をさまざま用意していた。今後は、顧客の問い合わせ内容に応じて、最適な回答チャネルをAIが判断。FAQで解決できるものはFAQサイトに、少し複雑な問い合わせは電話につなぐなど、消費者の自己解決をAIでサポートしていく。
「現在の回答率が60%程度。理論上では、75%が電話以外のチャネルで正しい回答を案内できる環境が整っています(残り25%は電話での応対が必要なもの)。この15ポイントのギャップは、導線が複雑になってしまい、回答は用意できていても、お客さまがたどり着けていない状態になっていたと考えています」(宮崎さん)
コンタクトセンターでは生成AI活用が活性化する一方、AIでは回答の難しい“対応に時間や労力がかかる”問い合わせがヒトに集中してしまう──という課題もある。
宮崎さんは「ヒトの応対が0になることはない」と指摘。どんどん応対の難易度向上する中では、研修コンテンツを充実させ、顧客応対品質の向上に取り組むことが重要だと語る。
「今後は、スキルや経験値のあるベテランのオペレーターを、CXを高めるためのチームとして温めていきたいと考えています。それぞれの専門性を高め、得意分野や強みを最大限生かせる組織作りに今後取り組んでいきたいですね」(宮崎さん)
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