カレーやラーメンだけでなく、さまざまなチェーン企業が新業態に進出し始めている。例えば、スシローが「天ぷら定食」を始め、串カツ田中が高級とんかつ店を立ち上げ、コメダ珈琲店がおにぎり専門店を展開した。
どの業界も成熟が進み、市場規模はすでに頭打ちになっている。そして、人口減少時代で内需に限界があることから、新業態へ果敢に挑戦する。この傾向は今後も変わることはなく、むしろ進んでいくだろう。
そうなったとき、あらゆる業界で「個人店」は淘汰(とうた)されていくかもしれない。
それが時代の流れであり、消費者がそれを選ぶならば、その流れに抗っても意味がない。また、本当の意味で顧客に選ばれる個人店であれば、チェーンが進出したとしても生き残るだろう。ただ、このような状況の中で、個人店同士の争いが激しくなり、本来であれば生き残れた店がなくなってしまう……。そんなことも、今後は起こり得るかもしれない。
「カレー店の倒産件数が過去最多」というニュースからは、そのような個人店とチェーン店をめぐる力関係の一端も見えてきそうだ。
都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。チェーンストアやテーマパーク、都市再開発などの「現在の都市」をテーマとした記事・取材などを精力的に行う。「いま」からのアプローチだけでなく、「むかし」も踏まえた都市の考察・批評に定評がある。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』他。現在、東洋経済オンラインや現代ビジネスなど、さまざまなメディア・雑誌にて記事・取材を手掛ける。講演やメディア露出も多く、メディア出演に「めざまし8」(フジテレビ)や「Abema Prime」(Abema TV)、「STEP ONE」(J-WAVE)がある。また、文芸評論家の三宅香帆とのポッドキャスト「こんな本、どうですか?」はMBSラジオポッドキャストにて配信されている。
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