帝国ホテル 京都のターゲットについて、「インバウンド比率は、帝国ホテル 東京と同等の邦人4割、外国人6割を目指したい」と風間社長。「外資系ホテルと比較すると邦人の割合がかなり多いと思うが、外国人だけに寄せていく販売構成はできれば避けたい」と言及した。
国内においては、自社の会員組織「インペリアルクラブ」と、帝国ホテル 東京・大阪で結婚式をあげた人を対象とするメンバーズクラブ「インペリアルクラブ グレース」が、一つの大きなターゲットになるという。
「インペリアルクラブは50〜60代、インペリアルクラブ グレースは30〜40代の方が中心で、帝国ホテル 東京・大阪をよく使ってくださる方もいます。会員の方々の期待は高く、『いつオープンするのか』という問い合わせが届く状況です。京都・祇園の中心部であること、弥栄会館を活用したストーリー性のあるホテルであることが利用動機につながっていると思います」(坂田氏)
坂田氏は「100年、200年と続く、地元に根ざしたホテルを目指したい」と意気込みを語った。風間社長は「帝国ホテルのブランド全体を高める存在になるだろう」と期待を示した。
「京都では、東京よりも部屋数に対するスタッフの要員数を増やし、1000室のホテルでは難しいアットホームなサービスを提供したいと考えています。記憶力のいいベルマンなら55部屋全員のお名前を覚えられるでしょうし、『おかえりなさい』とあいさつができます。当社のブランドをまた一つ高みのステージに連れていってくれるホテルになると信じています」(風間社長)
2017年に上質宿泊施設誘致制度(※)を導入した京都市では、以降、外資系ホテルが続々と誕生している。2026年には日本初進出のシンガポール発ラグジュアリーホテル「カペラ京都」や「シャングリ・ラ京都二条城(仮称)」などが開業予定だ。
近年開業した外資系ホテルの多くが100室以下のスモールラグジュアリーホテルで、内外観は和風モダンと一見すると似通っている。帝国ホテル 京都は、これらの外資系と差別化を図れるのか。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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