米Microsoftが6月17日に発表したレポートによると、従業員は現在、「ほぼ終わりのない労働時間」に直面しているという。朝ベッドから出る前にメールを確認し、一日中会議に参加し、夜や週末には業務の遅れを取り戻すという日常が常態化している。
20人以上に送信される大量のメールは過去1年間で7%増加し、Microsoft Teams(チャットツール)の1人当たりのメッセージ数も前年比で6%増加した。また、午後8時以降に開催される夜間の会議は前年比で16%も増加している。
「これは、現代の労働時間には明確な始まりも終わりも存在しないという現実を示している」と同レポートは指摘する。「業務の複雑性が増し、期待値が高まり続ける中で、かつて集中や回復のために確保されていた時間が、今ではタスクに追い付くためや準備、情報整理に費やされるようになっている」
Microsoftのデータによれば、従業員は1日当たり平均117通のメールと153件のTeamsメッセージを受信している。会議の約57%は臨時開催で、事前のカレンダー招待なしに突然呼び出される形式で行われている。
会議の半数は午前9〜11時、午後1〜3時に集中しており、これは人間の概日リズムに基づいた最も生産的な時間帯とされている。メッセージのやりとりもこの時間帯に活発化するため、深い集中が求められる業務に割く時間はほとんど残されていない。
Microsoft 365のテレメトリーデータによれば、従業員は平均して2分に1回、会議・メール・チャット通知などで中断されており、1日当たりに換算すると実に275回にも上るという。
また、29%の従業員が午後10時以降にメールを確認しており、週末に積極的に働く従業員の約20%は、土日の午前中にメールをチェックしている。さらに、5%以上が日曜の夜にもメールを確認しているという。全体として、従業員の3人に1人が「『過去5年間の仕事のペースが速すぎて追い付けない』と感じている」とMicrosoftは報告している。
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