人材不足に悩む中小企業経営者の間で、AIへの期待が現実味を帯びてきている。中古車買取のハッピーカーズ(神奈川県鎌倉市)の調査によると、約7割の中小企業経営者が人材不足を感じていることが明らかになった。経営者はAI導入に伴う人員削減について、どのように考えているのか。
IT・ソフトウェア業の経営者で、人材不足を「感じている」は合わせて73.0%に上った。その他、建設業の経営者は70.6%、サービス業の経営者は64.6%が人材不足を実感。業種を問わず人材の確保が困難になっている様子が明らかになった。
AIの導入状況には業種間で大きな差が見られた。 IT・ソフトウェア業では39.7%が「導入している」としたのに対し、建設業は9.9%、サービス業は16.4%にとどまった。特に建設業では「導入予定はない」が52.0%を占め、AIの活用が進んでいない現状が浮き彫りとなった。
AIを導入している、または導入を検討している業務領域については「一般事務・データ入力の自動化」が最も多く41.6%。以降は「顧客対応」(30.5%)、「勤怠管理・人事労務の効率化」(27.1%)と続いた。日常的かつ定型的な業務から導入している様子が伺える。経営者は「人の判断が不要な作業」でこそ、AIの力が発揮されると認識していると考えられる。
AI導入によって人員削減を「行った・行う予定」は48.9%に上った。対象となる業務・職種では、「データ入力・管理業務」が最も多く47.0%。以降は「事務・総務・庶務業務」(35.6%)、「会計・経理業務」(31.8%)と続き、いずれも定型的・反復的な業務が上位となった。
AI導入や活用の必要性を「とても感じている」は28.3%だった。「やや感じている」36.2%のと合わせて64.5%が、何らかの形でAI導入の必要性を認識していた。
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