米国以外でもニュースになっている。有名なのは、英国の国民保健サービス(NHS)の幹部だったジョン・アンドリュー氏だ。もともと建設業者だったアンドリュー氏は、自分は医師で、複数の学位を持っているとうそをついて、NHSやホスピスの上級管理職に就き、10年間で100万ポンド以上を得ていた。ところが2017年に経歴詐称が発覚し、実刑判決を受けた。
世界にはさらにダイナミックな国が存在する。インドである。
インドの場合は、偽の大学が乱立しており、そこから偽の学位が売り出されて問題になっている。というのも、国外に出てしまえば、そうした大学が本当に存在するか、調査が行き届かない状況だった。
2021年には大規模な学歴詐称のスキャンダルが発覚し、国際問題化している。同年2月、インドの政府機関が行った調査で、北西部のヒマーチャル・プラデーシュ州にあるマナヴ・バーラティ大学が、2009年の設立以来、3万6000件もの学位を10万〜30万ルピー(約17万〜50万円)で販売していたと指摘された。
学位を購入して学歴詐称をした人たちは、履歴書に堂々とその学歴を記載して、米国やカナダ、シンガポール、マレーシア、ドバイ、南アフリカといった国々で大学や企業に就職を決めていた。だが学歴が偽物であることが判明したため、進学や就職の道が断たれる事態となった。
ちなみにインドでは、卒業証書などがオンラインで堂々と販売されているくらい、学歴詐称が横行している。州の幹部などが学歴詐称で摘発されるケースもあるし、ナレンドラ・モディ首相の学歴も疑惑があるとして問題視されている。
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