まず米国だ。米国でも、履歴書や職務経歴書などでうそをつく人は少なくない。それは調査でも判明している。履歴書のアドバイスなどを行う「レジュメラボ」が2023年に米国在住の1900人以上を対象に行った調査によると、就職活動をしている人は非常に高い割合で虚偽の情報を記載している。
調査では、なんと求職者の70%が「履歴書に虚偽の情報を記載したことがある」と回答。さらにそのうちの37%は、虚偽の記載を繰り返していると認めているという。うそをつく項目は、過去の職務内容(52%)、役職名(52%)、勤続年数(37%)だった。
加えて、面接でもうそをつく人はかなり多い。求職者の80%が「面接で虚偽の情報を伝えたことがある」と回答した。つまり、求職者が最も多くうそをつくのは面接の時だという。
米国でも、日本同様にビッグネームの学歴詐称問題がメディアで取り沙汰される。例えば、下院議員だったジョージ・サントス氏は、大学卒業もうそで、職歴(ゴールドマン・サックスやシティグループで働いていたという経歴を書いていた)もでっち上げていた。「言葉のアヤだった」と意味不明な弁明をしたが、最終的に2023年12月に下院から追放されている。
こんなケースもある。マサチューセッツ工科大学(MIT)の入学担当部長だったマリリー・ジョーンズ氏は、10年間にわたって部長を務めていたが、3つの大学の学位を持っていると偽っていたことが2007年に発覚。実際には虚偽であることが判明し、ただちに辞任した。
ビジネス分野でも少なくない。米ヤフーのCEOだったスコット・トンプソン氏は、コンピュータサイエンスの学位を持っていると履歴書に虚偽の記載をしていたことが2012年に発覚。CEOに就任して4カ月で辞任に追い込まれている。ただトンプソン氏は、それまでのビジネス経験などを買われて、その後にネットショッピングサイト「ShopRunner」のCEOに就任した。
これらは著名な人物の詐称だが、レジュメラボの調査のように、学歴や経歴の詐称は程度の差はあれど、かなり横行しているといえよう。
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