「サビだけ」なのに、なぜこんなにウケているのか。利用者の選曲や楽しみ方をたどると、その理由が浮かび上がってくる。
まず、2025年1〜6月のランキングを見ると、1位はaikoの「カブトムシ」。2位にポルノグラフィティの「サウダージ」、3位にOmoinotakeの「幾億光年」がランクインした。
いずれも印象的なサビで、歌い出した瞬間に盛り上がる曲ばかり。フル尺のカラオケランキングではVaundyやCreepy Nutsなど、最近のアーティストが上位に入ることが多いが、サビカラではやや懐かしい定番曲が人気を集めている。
その理由はシンプルで、みんなが知っているから。「サビカラの利用者はライト層が多く、『知らない曲は選ばない』傾向がある」(秋場さん)という。イントロ、Aメロ(歌い出し)、Bメロ(サビ前のパート)の記憶があいまいでも、サビだけなら覚えている、というわけだ。
また、サビカラは曲が短いので、歌があまり得意でない人でもすぐに歌い終えられ、「失敗しにくい」のも特徴だ。「この失敗しにくさも、気軽に楽しめる理由のひとつになっている」(秋場さん)
年代別のデータにも興味深い傾向がある。例えば「サウダージ」は、2000年にリリースされたが、10〜20代の若年層にも人気だ。TikTokで話題になったことをきっかけに、「親の世代の曲」が「知ってる曲」へと変わりつつある。
利用スタイルにも変化が見られ、これまで「1人1曲」が基本だったところ、サビカラなら「1人3〜4曲」歌えるようになった。30秒ずつ交代することでテンポよく曲が進み、場の雰囲気が盛り上がる。「歌う」だけでなく「回す」楽しさも加わっているようだ。
さらに、ひとりカラオケや2人組で利用する若い世代の間では、「まずサビで試して、うまく歌えそうならフルで歌う」という流れが定着しつつある。まるで洋服を試着するように、気軽に“歌を試す”ために使う人が増えているようだ。
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