長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
2025年上半期(1〜6月)の「ラーメン店倒産件数」が、過去2番目の高水準だという。東京商工リサーチによれば、倒産は25件で過去最多だった2024年の33件から減少。原因は販売不振が22件で全体の9割弱を占めた。円安や原材料高騰、人件費や光熱費の上昇などを、価格転嫁できない店の苦境が浮き彫りになっている。
ラーメン業界の過当競争も背景にあるだろうが、回転すしなど他業態がサイドメニューでラーメンを出すようになったのも大きい。特にコロナ以降、急増している。もはや回転すしでラーメンは定番となり、居酒屋やファミレスも提供している。コンビニでも当たり前に並び、自動販売機でもよく見掛けるようになった。
しかも、こうした他業態のラーメンは、有名店の監修を受けた商品が多く耳目を集める。こうして、街に根付いたラーメン店は、他業種に脅かされているのだ。
その実態を、詳しく報告しよう。
回転すしでは、4大チェーンの「スシロー」「はま寿司」「くら寿司」「かっぱ寿司」のいずれもラーメンに注力している。
これらの店はそばもうどんもスイーツもコーヒーもお酒も出し、すしをメインにした「総合和食」と化していて、商品バリエーションの一環としてラーメンも出している格好だ。安価で提供してきたすしの価格は上げにくいが、新しく加わったサイドメニューなら比較的高価格で提供でき、高い利益を見込みやすいという事情が背景にある。
近年、とりわけ熱心なのはかっぱ寿司だ。現在、10種類のラーメンを提供している。メインは「博多一双監修 博多豚骨カプチーノ風ラーメン」で、ピリ辛高菜入りや倍チャーシューなどのバリエーションがある。
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