経済産業省によれば、国内製造業の事業所数は1989年に42.2万もあったが、2016年に19.1万へ半減した。そして経済センサスによると、2021年6月には17万6858事業所にまで落ち込んでいる。
なぜこんなことになってしまうのか。「政治が悪い」「消費税が悪い」など、さまざまな見方があるだろうが、こういう事態を引き起こしている元凶は「人口減少」である。
42万の工場が存在した1989年、工場労働者のベースとなる生産年齢人口(15〜64歳)は約8600万人で総人口の約7割を占めていた。しかし、令和の今は7395万人で総人口の6割を切っている。
ここまで労働者が激減すれば、工場も激減するのは当然だ。もちろん、この間に工場の機械化も進んでいるが、機械を導入しても人手がまったく不要になるわけではない。機械を操作する者、ちゃんと生産できているのか確認する者など、ある程度の工場労働者は必要になる。
加えて、労働者が激減するということは、消費者も激減するということだ。つまり、工場でつくったものが国内市場で売れなくなるので、競争力のあるものづくり企業ほど、生き残りを図るために海外へと拠点を移していく。
その代表が自動車産業である。
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