2022年度は22人、2023年度は9人、2024年度は7人が参加し、2025年度は7人の参加を予定している。参加者数の変動は新卒採用人数の増減によるもので、研修は基本的に全員が参加する仕組みだ。ルールに大きな変更はなく、物価や宿泊費が高騰する中でも、予算は1日1万円に据え置いている。限られた予算の中でやりくりする経験が仕事に生きると考えている。
一方で、細かな改善を加えており、例えば知人宅への宿泊は1泊のみに制限した。「知らない土地で一人で過ごす」という研修の趣旨を重視している。
3年間の継続で成果も見えてきた。入社2年目で社内表彰を受ける社員が現れたほか、社内プロジェクトへの積極的な参加も目立っている。ある部門では、同期の中で1位の成績を収め、昇格するケースもあった。
船井氏は「全員が同じ成果を上げているわけではない」と冷静に評価するが、それでも一定の成果がうかがえる。
参加者からのフィードバックも良好だ。一人になることで自分で情報を調べる習慣が身に付き、それを仕事でも実践しているという意見のほか、外に出たことで逆に地元への愛着が深まったという声も多い。
旅に出る前は抵抗感を示す社員もいるが、研修を終えるとポジティブな感想を述べるようになる。この参加者の反応パターンは、過去3回とも変わっていない。これまで、インフルエンザや家族の事情といったやむを得ない理由を除いて、途中リタイアした社員はゼロだ。
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